三条万里子メソード
ヨーガのメソードをより確実にするための"前段階"を工夫して、エクセサイズの始めに組み入れた。
野口晴哉氏の恩恵を基に考案したいくつか
の型である。(整体・活元運動)
①"呼吸"と"気"の力をかりて心と体のこわばりを解き、体のすみずみまで目覚めさせ、知らなかった自分に遭う。
②"快・不快"を手がかりに、日常の、人の動き一つ一つを追体験して味わい、感受性を高め充足度を知る。
③"想像力" "暗示"で筋肉と関節を変貌させ使いこなす。
追体験→知覚認識→変貌術(個・液・気体化、重力のコントロール法、ビー玉浮遊説 著書「イカルスのように」参照)
さまざまな人の追体験
ー例題として...横になる、伏す、這う、転がる、倒れる、起きる、坐る、立つ、歩く、走る、泳ぐ、滑る、飛ぶ
(注)A. 動作を上達、競うのではない(馬、魚、ヘビ、
鳥....などに負ける)
B. 眠りから徐々に醒める→眠りに落ちる時の感覚を知り、それを数値(0度)にして充足度をはかる。
坐る、立つ、歩く、仕事をするなどの人の動作の基本すらしっかりと体得していない者が「舞う・踊る」など?
創作ダンスの仕事は、その先にあると思う。
Part I 零の状態への確立を目指して
身体応答の確立化及び覚醒された意識と消去される肉体
No.1
《意識下域を潜る》
知覚認識の全的な追体験及び五感の変貌・消失
日常からの身体的体験(本能も含む)を基にして
●睡眠への参入(上昇下降・解体)
●熟睡時からの覚醒
●食欲(飲食・酩酊)
●性愛本能
●蕩浴
●感情の諸相貌(喜怒哀楽)
A. 体中の変化の測定・反応・追跡
B. 知覚の追体験(Shaking及び目・耳・鼻などの閉鎖による)
【準備】
No.2
《筋肉におけるテンション・解禁とのコントラスト及び生体から個体への変容》
緊張数を意識下の中心に集めて確証そして解放への拡散
A. 呼吸のタイミングを併用しての筋肉の膨張-収縮
B. 無意識下における原理・伸び・あくびを応用した筋肉の緊張-解禁
C. 意識的な操作による、固体化を目指す物体志向
写真1〜5はPart I, No.2の5つの方法によるものである。
3を除く4つの型は、いずれも息を
吐きながら動作し、より多くの筋肉の緊張度を高め息を吐き切った時に全て弛緩させる。
1-①
1-①
足首はフレックスからカール
同時に胸部をカール
1-② ①につづけて両足を床に押しおろす
仙骨は床につけたままで背面と腕のストレッチ
1-②
2
2 踵、首の骨全部、及び腕を床に押し
おろして、他をアーチ(のけぞらせる)
3-①
3-②
3-③
3-④
3- ①② 準備
3-③ 息を止めるタイミングで、3-④ 吐きながら行う
4
4- 正座より逆さ
V字型に腹部を
つり上げる
5
5
5- 正座より弓なり
にのけぞる
No.3
《半睡状態の発見及び液体流動質から無機物質への変容》心的均衡への確立
A. 身体の表面積を地に接触させ筋肉と骨格とに距離空間をつくる
B. 各関節をより自由にするための回転
C. 身体内部の筋肉・内臓器官・骨等の溶解
D. 意識的な操作による生体から流動物へ、そして無機物質への移行
体の各部分の筋肉の伸縮をより正確に知覚する方法の例題として
①従来のバレエテクニック (立って行う)前に体を横たえて行う
②考案したビー玉浮遊説の方法 (重力のコントロール)- 着想は”丹田" "チャクラ”の東洋思想を入れた
心と体を整え、閃きを感じとりその直感を掴み取れる瞬間を待つ
そんな体の状態を用意することが私の日々のトレーニング法である
Part II 零の状態からの出発及び身体内に擬性を架してもう一つの現実の顕現
最小限のエネルギーによる最大限の響へと向かう運動価の把握
No.1
《覚醒された意識系》
A. 半睡状態の維持及び意識の集中
B. 身体の各パートへのチェック・整調
C. 筋肉の伸縮度への自在な往還行動
A-①
A-②
A-③
A-①②③ 足首の回転 (内外) 及び足と胴とをコネクトさせて、胸部のカール
B-①
B-②
B-①② 胴、手、足首の筋肉のストレッチ
C-①
C-②
C-①②③④ 足首から部分的に始め、足全体の
筋肉の伸縮をはかる
C-③
C-④
D-①
D-②
D-③
D-①②③ 正しく筋肉の収縮をはかり各関節をコネクトさせ、センターを知覚する
No.2
《覚醒部への知覚集合》
A. 半睡状態の持続維持及び覚醒部との比較
B. 身体各部分の関係調整 (各部分の重要点を探り、その点と点との距離間によっての知覚操作)
E-①
E-②
E-①② 正しく筋肉の収縮をはかり各関節をコネクトさせ、センターを知覚する
F-①
F-②
F-③
F-④
F-⑤
F①②③④⑤ 胴と手のコネクション、及び首の回転、及びツイストアーチにより胸部と首と腕のストレッチ
G-①
G-②
G-①②③④ 首及び胴の関係において主に上体の筋肉の伸縮をはかる
G-③
G-④
H-①
H-②
H-①② カールとアーチをとり入れた、より強力な筋肉の伸縮
No.3
《バランスポイントの確立》
危機均衡によったバランス
A. 睡眠状態に接近した身体内の重要点を引力に照射 (直立形において探索)
●身体浄化作用の昂揚
●安定度の昂揚
●運動価の昂揚
●動きの形態を選択して繰り返し連日リフレインする
●簡潔なリズムに呼吸を合わせながら、或は発声唱歌をともなっての鍛錬による
●情況に応じて必要なだけのものを厳密に引き出せるように (エネルギーの配分方法及びフォルム)
●身体の変化の度合を正常価との関係項においてよみとる
I-①
I-②
J
K-①
K-②
L
M
N
Part III ムーブメントについて。
●直立形式への探求 (いかに正しく立つか?)
●歩行への問い (どうして以降せねばならぬか?)
●疾走への探求 (なぜ、どうして走るか?)
●なぜ踊るか?
- ダンス・ワーク Vol.27 (Spring 1980) 参照 -